Ash Wednesday〜灰の水曜日

十字架の道行きを描いた一枚
十字架の道行きを描いた一枚

 

今日は大斎始日、灰の水曜日(Ash Wednesday)。

この日から司祭のストールや教会内の講壇掛け、敷布などが

いっせいに菫色になり、

慎みの季節、大斎節(Lent)の到来を告げます。

 

 

 

昨年は、

HOLON タイポグラフィ作品展

《スクリプトリウム〜聖書の言葉を写し、纏う試み》の

会期中に灰の水曜日を迎えました。

 

《スクリプトリウム》展DM
《スクリプトリウム》展DM
リトグラフ作品《Ash Wednesday》(2013)
リトグラフ作品《Ash Wednesday》(2013)

 

《Ash Wednesday》は灰の水曜日に捧げたリトグラフ作品。

一見模様に見える図案は、

オリジナルのアルファベット書体「セメタリー・ゲイツ」(下図)で

創世記の一節「汝は塵なれば塵に皈るべきなり」が

ローマ字組みで綴られています。

(つまり、「Nanji ha ……」)

 

オリジナル・アルファベット書体「セメタリー・ゲイツ」
オリジナル・アルファベット書体「セメタリー・ゲイツ」
リトグラフ作品《Ash Wednesday》(部分)
リトグラフ作品《Ash Wednesday》(部分)

 

灰の水曜日は大斎節の始まりの日、生と死に想いを寄せる日。

礼拝では一年間大切にしてきた棕櫚の十字架を燃やし、

その灰で額に十字架の印を受けます。

その際、司祭が唱えるのが創世記の一節にちなんだ文言

「あなたは塵から生まれたのだから、塵に帰らねばならぬことを覚えなさい」。

 

書体「セメタリー・ゲイツ」は

欧羅巴の墓地の鉄細工の門をイメージして制作。

墓地の門はまさに生と死の狭間に位置する存在、

創世記の一節を綴るにふさわしい書体として選びました。

 

 

上:《すみれとすみれのあいだ》(2013年・デジタル写真、銀塩プリント)/ 下:《夢のゆきかう薄明》(2013年・デジタル写真、銀塩プリント)
上:《すみれとすみれのあいだ》(2013年・デジタル写真、銀塩プリント)/ 下:《夢のゆきかう薄明》(2013年・デジタル写真、銀塩プリント)

 

リトグラフ《Ash Wednesday》のモチーフである手袋を切り抜き、

立体コラージュの感覚で配置、一発撮りした写真作品です。

エリオットの詩 《Ash Wednesday》をテーマに、

そのポエジーを表現すべく制作しました。

タイトルもエリオットの詩からの引用です。

 


すみれとすみれのあいだを歩んだひと

さまざまな緑のさまざまな色合いの

あいだを

白と青の衣を、御母マリアの色を着て歩んだひと

永遠の悲しみを知らずして知りつつ

ささやかな事ごとを語らいしひと

人びと歩むときその者たちのあいだを動いたひと

噴水の力をつよめ泉の水をあらたにしたひと

 

…エリオット『聖灰水曜日』高松雄一訳

(『エリオット選集 第4巻』彌生書房・昭和50年刊)より

 

 

 

 

2012年の大斎節は、

聖トーマス教会合唱団&ゲヴァントハウス管弦楽団による

バッハ《マタイ受難曲》全曲を東京オペラシティにて拝聴しました。

シュテファン・カーレ君の痛々しいまでに繊細なアリアは

生涯ただ一度の珠玉。

 

 

 

聖トーマス教会《マタイ受難曲》/アルト:シュテファン・カーレ

 

憐れみたまえ

わが神よ、この涙ゆえに。

ここをご覧なさい

心と目が、あなたの前で

激しく泣いています。

 

 

 

 

菫色の季節、慎み深い日々でありますように…

 

 

 

 

おまけ

 

☆ザ・スミス《セメタリー・ゲイツ》

 

 

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